予防診療についてVaccination
混合ワクチン接種
動物たちのライフスタイルに合った
ワクチン接種プログラムをご案内いたします
生後間もない子犬や子猫は、母犬(猫)から譲り受けた免疫力(移行抗体)によって守られています。しかし、移行抗体は生後60~90日(2~3か月)で、病気を予防できないレベルにまで下がってしまいます。ワクチン接種をすることにより免疫力を引き上げ、病気を未然に予防します。
子犬や子猫のワクチン接種
当院では、以下の基準により初年度(0才時)接種回数を定めています。
1回目(初回)のワクチン接種時期が、生後56日齢(生後8週齢)未満の場合、残り2回の追加接種(合計3回)が必要です。
また、生後56日齢(生後8週齢)以上で接種している場合については、残り1回の追加接種(合計2回)で十分としています。
これらの区別は、生後56日齢(生後8週齢)より早い時期では、母犬(猫)の移行抗体の影響が色濃く残っている可能性があり、初回ワクチンの効果が十分に発揮されていないと考えられるからです。
1歳以降の追加接種は基本的に年1回実施することで、恐ろしい病気から愛犬・愛猫の健康を守ります。ワクチンに含まれている病気は、本当に恐ろしい病気です。予防することができる病気で動物たちの健康が害されることがないように、飼主さんのご協力をお願いいたします。
当院でご用意しているワクチンの種類
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6種ワクチン
8種ワクチン -
3種ワクチン
ノミ・マダニの予防
大切な家族を、「痒い」だけでなく
「怖い病気」から守るために
ノミやマダニの寄生は、痒いだけで終わらないことがあります。
ノミの場合、強い痒みと皮膚炎症状を呈するノミアレルギー性皮膚炎が代表的ですが、瓜実条虫(サナダムシ)やヘモプラズマ感染の原因にもなります。マダニの場合、近年警戒しなければならないのが、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの感染の存在です。これまで九州や四国など西日本を中心として報告されていた人獣共通感染症のひとつですが、愛知県でも2021年7月に県内初となる「人」の感染例の報告が、半田市の保健所にありました。恐ろしい病気がすぐ近くに潜んでいる可能性があるのです。
ノミやマダニは、知らない間に
忍び寄ってきます
ノミやマダニの予防は、動物たちの健康を守るためだけでなく、飼主さんの健康も守ってくれるひとつの手段になり得ます。また、人とペットとのコミュニケーションが広がる中で、ペット同伴可能な場所が増え、動物たちが集まる機会も多くなりました。排泄物を持ち帰ることやマナーベルトを装着するのと同様、ノミ・マダニの予防も感染を広げないようにするためのマナーですので、「室内飼育だから大丈夫。」と考えるのではなく、動物たちが安心してお散歩やお出掛けに行かれるように、定期的な予防をお願いいたします。
当院でご用意しているノミ・マダニ予防薬
- 推奨予防期間
- 4月~10月ごろ (その年の気温差により開始時期、終了時期に差が出ることがあります。)
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経口剤:飲ませるお薬です。
駆除効果1ヶ月持続型と3か月持続型があります。
滴下型:背中に滴下するタイプのお薬です。
駆除効果は1ヶ月です。 -
滴下型:背中に滴下するタイプのお薬です。
駆除効果は1ヶ月です。
投与方法など、ご不明な点がございましたら、当院スタッフまでお知らせください。
フィラリア予防
予防できる病気から動物たちを守るために
フィラリア症(犬糸状虫症)は、蚊が媒介する代表的な寄生虫の病気です。フィラリア成虫が、犬の肺動脈内に寄生することで心臓内の血流が妨げられ様々な障害を引き起こし、最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。フィラリアを摘出するなどの治療法はありますが、ほとんどの場合状態が悪く、麻酔リスクや副反応などの負担が大きく、すべての子に治療が適応になる訳ではありません。だからこそ、予防が重要となる感染症なのです。
予防薬ではなく、駆虫薬
豊明市およびその周辺で蚊の飛んでいる時期は、おおよそ5月~11月ごろまでとされています。当院のフィラリアのお薬の投薬推奨期間は、6月ごろ~12月までとしています。お薬を飲ませる時期に1ヶ月のズレがあることに注意してください。
このズレは、フィラリア幼虫の成長と犬の体内での幼虫の動きに関連があります。
まず、蚊の体内でミクロフィラリア(L1)から第3期幼虫(L3)まで成長し、蚊が犬を吸血した際にL3幼虫が犬の体内に入り込み、第4期幼虫(L4)に成長します。最終的に未成熟虫となり血管内に侵入して心臓(肺動脈)に到達します(犬の体内に入ってから1~2ヶ月程度)。さらに4~5ヶ月かけて成熟し、フィラリア成虫となります。
ここで重要なことは、フィラリアのお薬の目的が「犬の体内に存在するL3およびL4幼虫を駆虫する」ということです。つまり、刺されてから1~2ヶ月の間にお薬を飲ませる必要があり、「蚊に刺されて感染したかもしれないフィラリアの幼虫を、心臓(肺動脈)で成虫にさせないように、お薬を飲ませて毎月駆除している。」ということになります。豊明市およびその周辺で蚊の飛んでいる時期は、おおよそ5月~11月ごろまでとされています。
当院のフィラリアのお薬の投薬推奨期間は、6月ごろ~12月までとしています。お薬を飲ませる時期に1ヶ月のズレがあることに注意してください。
このズレは、フィラリア幼虫の成長と犬の体内での幼虫の動きに関連があります。
まず、蚊の体内でミクロフィラリア(L1)から第3期幼虫(L3)まで成長し、蚊が犬を吸血した際にL3幼虫が犬の体内に入り込み、第4期幼虫(L4)に成長します。最終的に未成熟虫となり血管内に侵入して心臓(肺動脈)に到達します(犬の体内に入ってから1~2ヶ月程度)。さらに4~5ヶ月かけて成熟し、フィラリア成虫となります。
ここで重要なことは、フィラリアのお薬の目的が「犬の体内に存在するL3およびL4幼虫を駆虫する」ということです。つまり、刺されてから1~2ヶ月の間にお薬を飲ませる必要があり、「蚊に刺されて感染したかもしれないフィラリアの幼虫を、心臓(肺動脈)で成虫にさせないように、お薬を飲ませて毎月駆除している。」ということになります。
安全の為、必ず血液検査を受けてから
お薬を飲ませてください
先にフィラリアのお薬は、L3およびL4を駆虫する薬と書きましたが、ミクロフィラリアにも影響します。フィラリアに感染している場合、心臓(肺動脈)に寄生しているフィラリア成虫から大量のミクロフィラリアが産出されています。この状態でお薬を飲んでしまうと、一度に大量のミクロフィラリアが死滅し、強い咳嗽などの諸症状が現れることがあります。最悪の場合、ショック状態に陥り死に至ることもあります。
このことから当院では、フィラリアのお薬を処方する全頭の犬に対して、毎年必ず血液検査(抗原抗体検査)を実施しています。初期症状が分かりにくいフィラリア症の発見には、この検査が必要不可欠です。みなさまのご理解をお願いいたします。
犬だけの病気ではありません
フィラリアは猫にも感染することが分かっています。犬とは異なり症状が複雑で無症状のものから、猫喘息様の咳嗽や重篤な呼吸器疾患(HARD)を引き起こすもの、時として突然死を引き起こしたりと非常に確定診断が難しく、予防がとても重要です。
豊明市はフィラリア感染症が多く認められる地域です
当院では、診察・検査によって犬フィラリア症と診断する子が、ほぼ毎年出ます。少ない年で1症例、多い時で8症例。平均すれば年2~3症例です。治療をしてフィラリア症から脱する子もいますが、必ず心臓にダメージが残ります。この時、飼主さんから聞ける声は、「予防さえしていれば」です。予防できる病気から愛しい子を守るために、皆様のご協力をお願い申し上げます。
当院でご用意しているフィラリアのお薬
- 推奨予防期間
- 6月ごろ~12月まで
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粉薬、錠剤型、ビスケット型:1ヶ月毎に服用します。
注射: 効果が1年間持続します。 -
滴下型:背中に滴下するタイプ
1ヶ月毎に使用します。
飼主さんや動物たちの負担にならないものを選択できるように、お気軽にご相談ください。
狂犬病予防接種
狂犬病予防接種を受けましょう
狂犬病予防法に基づいて、飼主さんには飼育している犬に対して狂犬病予防接種が義務付けられています。生後91日以上の犬は、飼い始めてから30日以内に1回、その後毎年1回、原則として4月1日から6月30日までの間に追加接種を受けなければならない、と法律で定められています。(初めての狂犬病予防接種は、この限りではありません。)
最近、国内における狂犬病予防接種率が低下傾向にあるとの事実があります。犬の狂犬病は長年の間、国内での発生が認められていません。しかし、隣国においては毎年たくさんの人が犠牲になっている恐ろしい病気です。
未来を支える子供たちの為にも、国内での狂犬病清浄化を保ち続けなければなりません。当院では、いつでも狂犬病予防接種が受けられるように準備していますので、狂犬病予防接種へのご協力をよろしくお願いいたします。